blue marble「ヴァレリー」

2010-10-22

レーベルメイトであり、フレネシバンドのサポートメンバーでもあるショック太郎氏率いる
blue marbleが、9月15日に1stアルバム「ヴァレリー」をリリースしました。

「メルヘン」と同時リリースだったので、既にお聴きの方も多いかと思いますが
いまさらながら、私なりのレビューを描いてみたいと思います。
聴き込むほどに、一言では言い表せないほどの闇を見た気がして
安易には言葉にできなかったのです。

このエモーショナリズムは、作り手が手癖によって構築する、ともすれば安直にも聴こえる音楽とは
間逆の冷静さと客観性を持って作り出されているように思えたのだけれど、
そもそも手癖で楽器を奏でること自体、
奏者にとって必ずしもエモーショナルなシチュエーションであるとは
限らないのかもしれないと、blue marbleに限っては思うのです。

作り手自身が予測しうる限りのすべての音符上に毒針を撒いて、
目隠しをし、息をつく間もないほどの高速で、ほぼつま先だけで地面を蹴って駆け抜けるような
この上ない緊張感を奏者が共有しあうことで生まれる高揚感。

そんな作り手の戯れに、リスナーは最高のもてなしを受けていると錯覚する。
期待値の常にはるか上に用意された音は、
聴き手の耳を裏切り続けることで、そのハードルを上げていき、
最終的にはとてつもないインフレイションを起こしてしまう。
ひとたびその中に迷い込めば、聴き手は心地良さしか感じないのだけど。

それこそが、リスナーを多幸感で満たす魔性のblue marbleメソッド。

ランナーズハイのような感覚が、曲作りをする上でも生まれているのかもしれません。
言わば、楽曲構築ハイ。

しかしそんな状況が、陽気であるはずがない。
恐ろしいほどの妖気に満ちた「闇」そのものが、
アルバム「ヴァレリー」の本質ではないかと、私は思うのです。

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